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皆さんこんにちは
株式会社荒木製作所の更新担当の中西です
家具ができるまでの物語️
アイアンのオーダー家具は、完成品だけを見ると「かっこいい!」で終わってしまいがち。でも本当の魅力は、完成に至るまでの工程に詰まっています。
相談から設計、素材選び、加工、溶接、研磨、塗装、納品…。その一つひとつに“技術”と“気遣い”があり、だからこそ一点モノの価値が生まれます。今回は、アイアンオーダー家具制作の流れを、まるで制作の舞台裏を覗くように紹介します✨
目次
オーダー家具制作の最初の仕事は、実は鉄を切ることでも溶接することでもありません。
まずは「何のために作るのか」を徹底的に聞くことから始まります✨
どこに置く?(設置場所)
何を置く?(使用目的)
誰が使う?(家族構成・動線)
どんな雰囲気にしたい?(テイスト)
掃除のしやすさは?(床との距離)
既存の家具や床材との相性は?
「見た目が良い」だけでは使いにくい。逆に「便利」だけでもテンションが上がらない。
このバランスを探るのが、オーダーの醍醐味です
既製品との最大の違いがここ。
現地で採寸し、壁の歪み、巾木、コンセント、梁、窓枠、床の傾きまで確認します。
例えば棚をピッタリ作ると、巾木が干渉して壁に付かないことがあります。
だから背面を逃がす加工をする、脚の位置をずらす、固定方法を変える。
こういう“未来の不満”を先に潰すのがプロの仕事です✅
さらに、搬入経路も重要です
玄関幅、階段、廊下の曲がり角。
作る前に確認しないと、完成しても入らない…なんて悲劇が起きます
オーダー家具制作は、設計と現場の両方を理解しているからこそ成立します。
アイアン家具の設計は、見た目のデザインだけではなく、構造の理屈が必要です。
たわまないか?
揺れないか?
溶接箇所はどこが最適か?
ビスの位置は目立たないか?
人が当たる部分の角は危なくないか?
鉄は強いですが、細くしすぎればしなります。
逆に太くしすぎれば重く、圧迫感が出ます。
「線を細く見せたいけど強度は欲しい」
この葛藤を解くのが、設計の腕の見せどころです
材料が決まれば加工工程へ。
鉄を切断し、穴を開け、曲げる。
この段階で精度が出ていないと、組んだ時に歪みます。
特に曲げ加工は難しい。
同じ角度でも曲げる位置がズレれば全体が狂います。
ここに職人の経験が出ます✨
溶接はアイアン家具制作の中心。
ただくっつけばOKではありません。
熱で歪む
溶接痕が目立つ
ビードが荒いと安っぽく見える
強度が不足すると危険
だから、溶接は“技術”と“美意識”の両方が必要です✨
目立つ場所は美しく、見えない場所は強度重視。
場所によって溶接方法や仕上げ方を変えるのもプロの仕事です。
アイアン家具の格を決めるのは、実は研磨です。
角を落とす、手触りを滑らかにする、溶接痕を整える。
この工程が丁寧だと、同じ形でも“高級感”が出ます
お客様は見た目だけでなく、毎日触れます。
だから触り心地は、暮らしの満足度に直結します️
鉄は錆びます。
だからこそ、防錆処理と塗装が重要。
粉体塗装、焼付塗装、ウレタン塗装、オイル仕上げ、蜜蝋…。用途や環境(屋内・屋外)に合わせて選びます。
艶あり黒でクールに
艶消しで落ち着いた雰囲気に
クリアで鉄の表情を出す✨
塗装は“色を付ける”だけではなく、“空間に馴染ませる”工程です
現地で設置し、水平を見て微調整し、固定する。
この瞬間、家具は“作品”から“生活道具”になります。
そしてお客様の「うわ、想像以上!」という表情を見るのが、作り手にとって最高の瞬間です✨